後輩弁護士の成長や事務所全体の成長が見えたのがやりがいがあった
キャリアアップしていく中で感じた弁護士としての仕事のやりがい
家永弁護士としての仕事のやりがいは入る前と入った後で、何か違いはありますか?入る前にどう思ってたかと、入ったあとにどう感じたのか。
小林入る前は、もうちょっと忙しくなくて(笑)、一件一件深く携わって、依頼を受けてから、1年目はしっかり調べものをしてから事件にかかわるとイメージしてた部分はあります。しかしそれはクライアントが果たして望んでいるかというと、そうでもないと感じるようになりました。
交通事故は、特にスピード感というか反射力というか、被害者だから加害者の保険会社からの賠償金の獲得を目指している、そんな悠長に賠償交渉などをやってるのがいいってわけではないですよね。被害者の人は交通事故に遭って日々の生活を送るだけでも一苦労な状況であることを理解する必要があると思います。そのスピード感を大事にすることによって、スピーディーに解決してくれたので、依頼して本当に良かったと感じてくれる依頼者の満足がありました。
小林なんと表現すればよいのか迷いますが、案件数が多くても、一件一件に対して手を抜くわけではないんですよ。同じ交通事故の案件を数多くやっていると、案件数が多くても同時並行的にうまく回せるようにもなりました。1年目で幅広く交通事故をやり、民事・医療・相続もやりという人たちよりも、交通事故に関してリサーチの時間を短縮できますし、弁護士としての基礎的な能力が身に付けられればそこからは応用も効きやすいので、そういう意味では自然と案件処理に対するスピードも上がってくることになると思います。そうすると、一件一件に対するスピードが上がることによって解決数も増えて自信やノウハウがつくことによって解決も早まります。
でも、もちろん解決の質が落ちたりするわけではなく、そういうスピーディー且つ十分な解決というのがやっぱり依頼者の望むところでもあると感じています。何度も言うようですが、スピード感を持って仕事をしていくからって、依頼者から求められているラインから実際の解決がその50%しかないということは全くなくて、顧客感動にふさわしい依頼者が求める100%に近い解決を追求しています。
解決するときはもちろん依頼者と、こういう状況だからこういう解決はどうか相談しながらきちんと納得してもらった形で終わってるので、それで事件が終わったときのクライアントと共有する「あ、無事終わった!良かった!」っていう達成感じゃないですが、「終わったね。これまで交通事故に遭って大変だっただろうけど、弁護士、つまり僕ですが、が介入して賠償金をしっかり確保したから、体が痛かったら賠償金等を使ってね」っていうのを共有できるのは、弁護士になって、実際目の前の案件を終えた後じゃないと感じられないことだなと思いました。
家永これから所長になるけれども、今、仕事の中でやりがいとかモチベーションの源泉になっているものって何かあります?
小林所長代理というポジションで弁護士法人ALG&Associates 千葉法律事務所に携わってきましたが、人員も増えて来てここからさらにどういう風に千葉を盛り上げられるか、後輩弁護士たちがどういう処理の仕方をして、どういったことで悩んでいそうかっていうことを気にしていて、千葉の所長として美代子先生がいますけど、美代子先生がいるからその下のポジションである僕は何もしなくていいやというわけではないと思っていたんです。所長代理という肩書きをもらってるので、所長と同じ目線で自分の案件だけでなく後輩の面倒や教育等もしっかりしていく必要があると感じていました。
そこで自分なりに交通事故事業部で学んだ進捗会議を取り入れたりとか、あとは進捗管理システムで管理されている大木先生や大西先生の案件の進み具合を見て、滞留してるものがないかとか。一緒にやってる案件であれば、あの書面はどうなってるのか確認したりしていました。弁護士ひとりでは案件も出来る限界っていうのはどうしてもあるので、僕は一時期120,130件持っていたときが限界で、もうひいひい言いながらようやく回せるくらいでした。ただそれが、69期の後輩弁護士がふたり入ってきて、彼らも今70件とか80件とか案件を持ってるんで、僕も管理等しながら今70件ぐらいまで落とすこともできていて、いわゆる各弁護士の負担を分散することも出来ました。
そうすると、千葉に所属していた僕が一馬力だったのが、後輩弁護士も成長させていくことで二馬力にも三馬力にもなっていて、千葉法律事務所全体としての活気が出て来たように感じます。後輩弁護士もこんなに頑張っているんだから自分ももっと頑張ろうっていうモチベーションアップにもなりました。自分の案件はもちろん自分で管理しないといけないけれども、他の人たちの案件を自分としてはどういう風に管理して、且つ、彼らのモチベーションをどういう風に保っていくべきなのかというのは気をつけていました。
小林例えば平成29年度を全体で見たら千葉法律事務所として辛うじて売上として黒字も出せたのは、自分が頑張ってきて報われた分もあったなと感じました。その時は所長代理としてですが、ちゃんと売上という目に見える結果も確認して、いつも大幅に利益が出るわけじゃないですけれども、自分の中でちゃんと後輩も指導して、彼らもちゃんと成長していってるから売上もしっかり出せるようになったということは嬉しかったです。弁護士としての自分の成長もそうですけど、弊所、特に千葉に所属する後輩弁護士の成長、ひいては千葉全体の成長っていうものがちょっと見えたのが自分の中ではやりがいがあったと思いますね。