専門分野を早くから打ち立てると、若手弁護士でもベテラン弁護士と渡り合えると思っている
入所の時点でどのようなキャリアを考えていたのか
小林僕はそもそもALGに入った動機として、事業部制を採用していたところが大きかったです。その段階で僕はスペシャリストとして、何か専門分野を打ち立てたいと思っていました。専門分野を早くから打ち立てると多分1年目とか3年目とかの若手弁護士でも、10年目とか20年目のベテラン弁護士とも渡り合えることになると思っていて、そこで事業部に配属された後、3年から5年ぐらいキャリアや経験を積んでいこうと考えていました。
家永それは専門事業部で3年から5年経験を積もうという意識ですか。
小林そうです、3年から5年の間、専門的に経験を積んだらある程度はなんでもできるだろうという認識を持っていたんです。それから他の事業部に移るか事業部制ではない東京以外の拠点に行くか考えようと思っていました。
事業部でしっかりスキルをつけて、それを活かしていこうとは考えていたので、3年から5年ぐらい経った段階で、東京以外の拠点だと一般民事や医療・交通・家事も扱いますので、所謂ゼネラリストみたいに幅広い分野を取り扱っていくのか、スペシャリストとしてもう一本専門分野を打ち立てて、例えば医療分野を専門的に扱うのか、企業法務を扱うのかというのは3年から5年経った段階で判断しようと思っていました。
家永もともと小林先生は交通事故事業部でしたけど、事業部制のなかで4つ事業部があって、その中でも交通事故を最初に選んでみようと思った理由はありましたか?
小林根本的なところでは、最初に言ったようにスペシャリストになりたいという考えがあって、家事事件のような一般民事にも興味があったんですが、交通事故は日々発生してる中で被害者の方が困っているところに弁護士として介入できると思いました。結構簡単そうに考えられがちな分野ですが、損害論などは結構細かくて難しい分野です。
過失割合や責任割合を決めるときの事実認定の仕方、証拠の引用を工夫するなかでどういう事故態様だったか立証する活動など、交通事故という分野は限られるけれども、弁護士業務全般に対して汎用性がある分野だと思います。だからそういう専門分野を一本立てて次の民事や企業などで、弁護士業務としての基本がしっかりしていれば、他でも応用というか対応できるかなという認識はあって、交通を選びましたね。
家永弁護士業務全般に幅広く応用が効きそうだった、損害論として法律論が結構共通するものが広そうだっていうのが入り口だったっていうことでしょうか。
小林あとはALGに入所する前に、司法修習で地裁の交通部に行って、実際の案件を見てみたんですけど、論点が過失割合や損害だけでなく、保険の関係とか多岐にわたってたのは法分野としての学びがいを感じました。交通事故で損害賠償請求だけじゃなく、保険・労災・後遺症など医学的なことも入り組むので、交通事故と一言で言っても、いろいろな知識を身につけられるだろうという考えもありました。
家永結局、3年目ぐらいを迎えたときに、事業部制ではない東京以外の拠点に自分の身を置きたいって話があったかなと思うんだけれど、その専門柱を二本立てるという考えと、東京以外の拠点に行くことを比較するにあたって、どういった理由で自分がゼネラリストとしての方向性を目指すことを選択する決め手になったんでしょうか?
小林交通事故事業部に1年半いて、1年半では交通事故の知識・ノウハウはまだ足りないかもしれないけど、ある程度身についてきたという自信はありました。
家永思っていたより早く経験できた感じがしましたか?
小林3ヶ月ぐらいはOJTで先輩弁護士に受任してもらった案件を処理していって、4ヶ月ぐらいからは自分ひとりで受任したうえで処理するようになりました。まずは、難易度が低い案件から、段々難しくて重たい案件を担当するようになっていきました。交通事故に遭ったばかりの最初の治療段階からやる事件もあれば、賠償交渉もやりますし、交通事故事件の対応は一通りできたと感じられました。自分の中では3年やって他の事業部に移るという選択肢もありましたけど、事業部制ではない東京以外の拠点で働くことを選んだ理由としては、交通事故を1年半ぐらいやって思ったよりも自信がついたっていうのは大きいと思います。
他の拠点でも交通事故の案件は多く依頼が来ているというのがあって、弁護士法人ALG&Associates 千葉法律事務所へ異動しても、交通事故は僕が専門的、重点的にやれるだろうと思っていましたし、東京以外の拠点を選択することの動機付けになったと思います。
東京以外の拠点では、所謂一般民事としての案件も多く、弁護士として離婚や相続の知識は押さえておきたかったですし、押さえないといけないかなとも思っていたところだったので、千葉へ異動することでそれが叶うだろうとも思っていました。
あと大きかったのは、立ち上げたばかりの時期だったので、自分が千葉へ行って、立ち上げから関わってみたいという気持ちもありました。
家永千葉に弁護士が不足してた時期だったからね。
小林立ち上げ時期に飛び込んで、たしかに千葉法律事務所に入ったら案件がかなり舞い込んで来て大変だったんですけど。そこで自分がどういうポテンシャルを発揮出来るかっていうのをちょっと試してみたかったっていうのはあります。これまでとまったく違う環境に置くと共に、立ち上げという事務所の大変そうな環境に身を置くことで、普通に案件を処理していくだけよりも、自分自身がもう一歩成長できるのだろうと思って手を挙げました。