弁護士中心で事務所の成長を目指してやっている
カタカナ系事務所について
家永カタカナ系の事務所と呼ばれるところは所謂新興系ですよね、創立して10年ないし、その程度ぐらいの事務所のことを言ってることが多いかなと思います。
特に、弁護士広告が解禁された時期から、過払い金であったり、債務整理を中心に成長した事務所を指してカタカナ系と呼ばれていたのかなとは思う。債務整理が全盛期だったころ広告で運営していた事務所は、債務整理中心の事業としてそれのために事務所を出して、事務局人数も増やしてっていうようなスタイルでやってきていたという特徴はありました。我々はそういった形ではなくて、事業部制の採用であったりとか、事務局中心ではなく、弁護士中心で事務所の成長を目指してやっている。単に法律事務所が弁護士法人として事務所を開設できる立場の中で、各都道府県に法律事務所を成長させていくっていう発想だけなので、何かの事件に過剰に偏っているであったりとか、広告だけで集客しているわけではないですね。
うちの場合、企業法務もかなり広がりを見せてきていますし、ネット広告だけというやり方でもないので、新興系の事務所とひとくくりにしたところで何の意味もないんですよね。他の新興形の事務所も、それぞれ独自の方向に発展してきていると思います。
谷川既存事務所のやっかみやレッテル貼りっていうところはひとつありますよね。
私は弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所からスタートでALGに入ったのが7年前なんですけど、過払いがどうだとか、新興系がどうだとか、すごい声が上がっていました。そのため、入所したときから非常に意識していたのが、事件処理に関してはどこよりも丁寧にやらないとなっていうところです。
やっかみがある分後ろ指を指されやすくなる。「やっぱりあそこは…」と、しっかりやっているにも関わらず言われる可能性がありますからね。お客さん自身がそんなカタカナ系事務所、横文字系事務所に頼んだからそんなんだよって言われたらお客さんもかわいそうですし、私も不本意じゃないですか。他の事務所はどうか知りませんけど、少なくとも私としては、事件処理については恥じることはない、どこの弁護士よりも真面目で一生懸命やりますよ。この情熱は他の一般の個人事務所の先生が持ってるかというと、持ってないと思うんですよね。
家永私達の場合はカタカナ系と揶揄される自覚があるから、そこをプラスに引き上げていかなきゃいけないから、より真面目に取り組んでいくしかないです。
谷川本当に愚直にまじめです。
他の新興系がどうというわけではないですが、例えば事務局にほとんど業務をさせるとか、一括で本部で事件処理をしちゃうとか、事務所の弁護士はアンテナで集客ツールだってレベルで考えることは一切ありません。現場現場で最高の法律サービスを提供できることを意識しています。それが恐らく企業法務で花開いてますけどそういうところにつながってるんでしょうね。信頼を得てますし、一見さんのお客さんも多いですけども、様々な事件を紹介してもらったりとか。
家永広がりがでてきましたね。
谷川そうですね。非常に様々な事件が増えてきましたよね。宣伝広告だけでやっているところは、具体的にいうと、弁護士業界の流れとしては過払いがありました。過払いがダメになると、ここ数年でいっきに交通事故に流れて来て、また過当競争になる。交通事故も過当競争で厳しくなってきたら、どこもかしこもB型肝炎をやり始めましたというのを見てると、なんか虚しいですよね。
家永大量受任、大量処理、事務局対応案件みたいなことを中心に事務所を発展させていこうっていう発想は、基本的にうちの事務所にはないですよね。
谷川多分次は残業代の請求。未払い残業代の請求。全部一見さんに対して広告をがんがん打って、広告オンリーでお客さん呼んで、っていうビジネスモデルなのかなと。
うちはB型肝炎もやらないじゃないですか。弁護団でやってこられた方がいて、そこの上前だけをはねていくのはどうなのかなと思うんですよね。うちは医療過誤で十分勝負しているので、わざわざB型肝炎で勝負する必要がない。
残業代についても、わざわざそんなところで勝負しないで、既存の企業法務を中心にやっているので、残業代に集中する必要もないだろうって。既存のお客さんの信用を大切にやってきているので、今更脱カタカナ系事務所とは言わないでも、既に実態としては新興でくくられてはうちは困るという自負はあります。まあそういう段階にきているのではないかなと思います。
家永我々も弁護士法人になって10年以上経っていて、今更私達が新興系と言われてると、私達より若い事務所の人がかわいそう。どういう位置づけになるんだろうって。もっと注目浴びてもらえればいい。私達だけではなくて、新しい事務所もいろいろ出てきているので。
私達は追っかけられている印象もあるし、ただ、それでもまだまだ事務所として足りてない部分もあると思っていて、事務所を成長させなきゃいけないと思っている。その方向性としては、法律事務所として健全に日本全国必要としてもらえるような法律事務所にしていくっていうだけです。